地球ことば村
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ことば村・ことばのサロンB

2006・6月のことばのサロン
▼ことばのサロンB
「日本語のここが困る」
話題提供 ナランチムガ(中国内蒙古自治区出身 2002年来日 杏林大学日本語別科で日本語を学び、現在千葉大学人文社会科学研究科修士課程在学)
ナムラ(中国内蒙古自治区出身 2002年来日 杏林大学日本語別科で日本語を学び、現在千葉大学人文社会科学研究科修士課程在学)
李林静(中国黒龍江省出身 2000年来日、2006年3月千葉大学社会文化科学研究科修了。日本語は中国湖南大学日本語科で習得。)

三人はこれまで感じた日本語の難しさ(助詞の使い方、敬語、アクセントなど)や、自分の喋った日本語は適切ではなかったり、意味が通じなかったりするエピソードなどを話しました。また、三人とも、日本人の話を聞いてわからない場合、もう一度言ってもらってもわからなければ、つい諦めて流してしまうことが多いと言っていました。

ナランチムガさん

日本に来る前にすこし日本語を独学し、日本語はモンゴル語の語順とよく似ていることから、単語や助詞を覚えれば結構話せるようになると思っていたという。しかし、日本に来て何年か経った今でも、日本語の助詞、動詞、敬語、擬態語、擬声語などについて難しさを感じているそうです。

例えば:日本語の「に格」について、日本語では「父にもらった腕時計」「先生に習った」「そんなこと誰に聞いたの」など、「に格」が使われる表現は、モンゴル語の場合、「から格」が使われます。(このように、日本語では「に格」も「から格」も使える表現はモンゴル語では「から格」しか使えないという現象は筆者が研究しているホジェン語においても見られます。)また、敬語の使う場面がよくわからないという。「よろしいですか。」と言われたから、「よろしいです。」と答えたら、周りに笑われたとか。(ネイティブの方たちにこの場合は「結構です。」、「ありがとうございます。」などを答えればよいと言われました。)

ナムラさん

相手の話を聞いてわからなかった場合、一回ぐらいは「もう一度お願いします」と言えますが、もしそれでもわからない場合はどうしたらいいかわからないという。相手にしつこく繰り返してもらうのが相手にとっては迷惑ではないかと思ってしまうそうです。

これについては日本人も同感。わからないところを一回聞くのがよくても、二回、三回、四回はあまり聞けないそうです。それは、会話の中で、話がわからない場合は聞き手に主に責任があるからだと考えられるそうです。

李さん

日本語を習い始めて11年、日本滞在期間は7年以上になりますが、日本語を喋るときは、時々アクセントが違うことで誤解されることがあります。しかし、それは気づいたらすぐに直せばいいことで、コミュニケーション上は特に困ることにはならないです。日本語で文章を書くのが一番難しいと感じています。「てにをは」の使い方や、「は」と「が」の使い分けなど。自分の書いた論文を日本人の友達にネイティブチェックしてもらったのを見ると一番勉強になります。今大学を離れて身近に日本語のことを聞ける友達がいなくて困っています。

今回の話は主に日本語という言語に関するものでした。そのうちでは、一見ことばの問題(「敬語」の難しさ、「うまく喋れないからみんなの会話に参加できない、相手に何度も同じ質問が聞けない」など)ですが、日本の文化に深くかかわっているものもありました。これらの問題については、今後みんなで話し合っていけたらと思います。