地球ことば村
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【地球ことば村・世界言語博物館】

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ブルガリア語

ブルガリアという国
ブルガリアと言えば、いまどき、まずは 琴欧州 勝紀(本名:カロヤン・スチェファノフ・マハリャノフ)。それにブルガリア・ヨーグルト。ヨーロッパの東南、黒海に面した人口780万人の共和国。首都は百万都市ソフィア、欧州の美女の名です。この国は7世紀末に第一次ブルガリア王国から始まっていますから、日本と同じくらい古い由緒正しい国です。古いカトリック教、ブルガリア正教を国教としていました。しかし14世紀から19世紀までの500年間トルコの支配下にありました。1949年代には共産主義政権下にありましたが、1991年からは西欧型の共和国を作っています。

キリル文字
 9世紀のブルガリアにメトディウス(兄)とキュリロス(弟)という僧侶がいました。二人は類い希な知識人でしたので、ギリシャ文字をスラヴ風にアレンジしてグラゴル文字を作り、それで聖傳や祈祷書を書き記しました。弟のキュリロス(スラヴ名:キリル)はこの文字にさらに改良を加えて、新文字体系を構想します。しかし彼は早逝しました。弟メトディウス(スラヴ名:メトディー)はその文字を使って多くの文献をスラヴ語に翻訳しました。そしてこの文字は東・南スラヴの民間人にも使われようになりました。10世紀以降の世俗的碑文にはこの文字で書かれたものが多く出土します。その内にこの文字はキリル文字と名付けられようにました。やがてこのブルガリア人の手によって作られた文字体系が東欧一帯で使われるようになります。とりわけウクライナのキエフに伝わる古代教会スラヴ語文書は、後のスラヴ文字の元になりました。ロシアは1917年に国字を決めたとき、このキリル文字を採用しました。いま私たちが使うロシア文字がこのキュリロスにちなむキリル文字です。ブルガリアはキリル文字の故郷だったのです。

やはりスラヴ語
 ブルガリア語はキリル文字で書かれます。誇りをもってそう書く資格があるというものです。ところが一生懸命に聞いていても、どうも頻繁にスラヴ的でない単語に出会い、考えている内に聞き取れなくなってしまいます。それはどうも500年にわたるトルコ支配のせいではないでしょうか。語彙に非スラヴ的要素がかなり混じっています。しかしよく聞くとやはり歴とした南スラヴ語です。オシム監督のことばに似ているような気になってきます。しかしブルガリア語と一番近いのはマケドニア語です。この二つは冠詞を名詞の後ろに付ける点まで共通します。それに語尾が多くの場合に落ちてしまっています。これはバルカン的特徴と言われて、この地域が昔から大荒れであったことの名残なのでしょう。