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【地球ことば村・世界言語博物館】

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世界の文字

ウイグル文字 英 Uyghur script


ウイグル文字(Old Uyghur alphabet)は,8 世紀頃から中央アジアで主に用いられたウイグル語の表記に使用された文字。アラム文字から派生したソグド文字は,ソグド人の活動に伴って,古代ソグディアナから中央アジア一帯,さらに中国本土においても,ソグド人によって使用された。ウイグルはソグドとの交流において,突厥文字の使用をやめて,この文字を導入し,いわゆる「ウイグル文献」を現在の中国新疆ウイグル自治区や甘粛省に書き残した。ソグド文字には「楷書体文字」と「草書体文字」とがあるが,ウイグルが自らの文字として導入したソグド文字は「草書体文字」である。初期のウイグル文字のものには横書きも見られたが,残された文献のほとんどは縦書きされ,行は,漢文とは逆に,左から右に追って行く。因みに,現在の「新ウイグル語」はアラビア文字「新ウイグル文字」を使用する。庄垣内  [1]

文字構成

ソグド文字はもともと母音表記に適していない。そこで,ウイグル語にある 9 種の母音をを表示するためにいろいろな工夫がなされた。aleph + aleph = 語頭の a,aleph + yodh = 語頭の ï/i,aleph + waw = 語頭の o/u,aleph + waw + yodh = 語頭の ö もしくは ü を表し,またこれ以外の音節に現れる waw は,母音調和に応じた円唇母音を表す。

ウイグル文字表 Kara  [2]

ウイグル文字サンプル

ウイグル仏典には,しばしば漢字交じりのウイグル文が見られる。漢字は音読のものと訓読のものとがあったが,大体は訓読されていた。訓読漢字にはウイグル語の接辞が付加され,日本語の漢字仮名交じり文のように書かれた。ウイグル文字は,ソグド文字を借用して発展し,その初期の段階ではソグド語色の強いものであった。やがで,漢語仏典の大量の翻訳に伴って,漢語表記の影響を大きく受けることになる。一方,俗文書では,とりわけ後期のものでは個人的特徴の現れた稚拙な表記が多く残っている。

敦煌出土『阿毘達磨倶舎論実義疏』(大英博物館所蔵)

トルファン出土『DiSastvustik』(紙本墨書 10~11 世紀)京都国立博物館 編(2009)『シルクロード文字を辿って ロシア探検隊収集の文物 : 特別展覧会』(京都国立博物館)

関連リンク・参考文献

[最終更新 2018/10/20]