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【地球ことば村・世界言語博物館】

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世界の文字

マリマサ文字(瑪麗瑪沙文字)・ラルコ文字(阮可文字)

中国雲南省に居住する納西(なし)族の巫師(トンパ)が用いるナシ象形文字,いわゆるトンパ(東巴)文字の地域的変形文字。マサリ納西族とラルコ納西族(〈河辺の人〉の意)は,もともとは東部地区からの移民であった。彼らは,トンパ教の影響を受けて法事をはじめ種々の宗教活動に参加し,主要な道場でトンパにいろいろな経典を読んでもらう。それらの行事は全て西部方言を土台としたもので行われる。ところが,死者を追悼する「超薦経典」だけは,自分たちの言葉,東部方言で聞きたい。そこで,特別の経典を作った。その経典は,大部分がトンパ文字を借りて書いているが,トンパ文字で表記しにくい言葉に対しては,少数ながら東部地域の言葉とそれを書き表す独自の字形を考案している。

マリマサ文字(瑪麗瑪沙文字)

雲南省維西傈僳自治県五区拉普村に居住するマリマサ族の使用する文字は,全体で 100 あまりあるうち,85 字がトンパ文字からの借用形で,残りの 15 字が独自の文字である。マリマサ文字は,すでに 1 字 1 音節を原則とする表音節文字の形態をとっている。そして,ラルコ文字よりもマリマサ文字の方が字形自体が簡略化している。

ラルコ文字(阮可文字)

ラルコ納西族は,雲南省中甸県洛吉河一帯に最も多く居住する。この文字の使用範囲はきわめて限られ,全部で 33 本の「ラルコ超薦経典」をもつが,その中には特別な字形が混じっている。1962 年にトンパの和志武らは収集した 40 字を分析したが,その大多数がナシ象形文字の変形であると結論した。

マリマサ文字,ラルコ文字とトンパ文字の代表的字形

1)トンパ文字から借用したと考えられる字形 2)象った対象が異なった形をしていたと考えられる字形
3)独自の字形

ラルコ文字例

中国民族古文字研究会

[最終更新 2017/10/20]