地球ことば村
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【地球ことば村・世界言語博物館】

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世界の文字

漢字 ― 繁体・簡化字


漢字の図形的な複雑度を反映する画数は,平均すると 10 画台となるが,1 画のもの(「一」「丶」「丿」「丨」など)から,画数の多いものになると,次のように 64 画に達するものまで存在していた。(笹原)

次の図は,金代に編まれた最古の画引き字書の『五音類聚四声篇海』で,道教の漢字が多く載録されており,64 画の漢字も現われる。(京都大学附属図書館所蔵 近衛文庫 五音類聚四声篇海 [vol 5, p 6, 167])

簡化字

中華人民共和国およびシンガポールでは現在,普通,簡化字(簡体字)と呼ばれる画数の少ない漢字が使われている。簡化字は,字体の複雑さと使用頻度の高さが書記経済の軽減を促したものである。簡化字運動そのものは清朝末期から始まり,簡化字は 1964 年に正式に採用され,現在は 2,235 字からなる「簡化字総表 1986 年版」が公布されている。『簡化字総表』は偏旁に使用できない簡体字 350 字(第 1 表),偏旁に使用できる簡体字 132 字と簡化偏旁 14 個(第 2 表),第 2 表を適用した簡体字 1,753 字(第 3 表)からなる。次の表は,中国文字改革委员会編纂の「簡化字総表 第 2 版」である。

「簡化字総表 第 2 版」

簡化の方法

簡体字の簡略化方法にはいくつか種類がある。日本の新字体が簡体字・繁体字のいずれとも異なる場合【 】内に記する。出典:簡体字

同じ音または近い音の簡単な字を借りる。

丰(豐)【豊】,谷(穀),丑(醜),斗(鬥・鬭)【鬪・闘】,面(麺),制(製),征(徵),干(乾,幹,榦),台(臺,檯,颱),冲(衝,沖),种(種),云(雲),从(從)【従】,网(網)叶(葉),柜(櫃),价(價)【価】

草書体・行書体を楷書化する。

当(當),书(書),门(門),长(長),车(車),兴(興),头(頭),实(實)【実】,乐(樂)【楽】,专(專)【専】,会(會)

一部分のみを残して省略する。

广(廣)【広】,习(習),亲(親),业(業),乡(郷),开(開),关(關)【関】,医(醫),声(聲),号(號),虫(蟲),标(標),压(壓)【圧】,务(務),宝(寶),飞(飛),类(類),竞(競),触(觸),浊(濁),独(獨),丽(麗),兽(獸)【獣】,县(縣)【県】,处(處)【処】,杂(雜)【雑】

一部分を同音の字に替える。

毙(斃),钟(鐘,鍾),肤(膚),胜(勝),优(優)

一部分を省略する。

夺(奪),粪(糞),妇(婦),盘(盤),寻(尋)

意味から新たな会意文字をつくる。

队(隊),体(體),阳(陽),阴(陰),灶(竈)

一部分を簡単で記号的な字に替える。

币(幣),搀(攙),动(動),风(風),艰(艱)

上記の複合や特殊なもの。

帮(幫)(形声+輪廓),尘(塵)(特徴+草書),惊(驚)(形声+会意)

簡化字例

世界人権宣言

第一条
人人生而自由,在尊严和权利上一律平等。他们赋有理性和良心,并应以兄弟关系的精神相对待。
第二条
人人有资格享有本宣言所载的一切权利和自由,不分种族、肤色、性别、语言、宗教、政治或其他见解、国籍或社会出身、财产、出生或其他身分等任何区别。
并且不得因一人所属的国家或领土的政治的、行政的或者国际的地位之不同而有所区别,无论该领土是独立领土、托管领土、非自治领土或者处于其他任何主权受限制的情况之下。

通用規範漢字表

『通用規範漢字表』は中国の教育部と国家語言文字工作委員会が共同で作成した正書法の規範とする漢字表。一般教育に必要な一級字 3,500 字,出版等のためにさらに必要な二級字 3,000 字,人名・地名・科学技術・文語文などに必要な三級字 1,605 字の合計 8,105 の簡体字を基準にした漢字を収録し,2013 年から使用されている。通用規範漢字表

繁体字

繁体字(正体字)は,中国語において,系統的な簡略化(簡化)を経ていない筆画が多い漢字の字体を指す。特に中華人民共和国の一連の「文字改革」政策による簡化字(簡体字)との対比によりこう呼ぶ。繁体字と簡体字の関係は,日本の漢字における「明治以来行われてきた活字の字体」(旧字体)と当用漢字以後の「現代の通用字体」(新字体)との関係にほぼ相当する。日本でいう「旧字体」とは異なり,繁体字は台湾や香港などでは現在も標準的な字体として一般的に使われる。個別の字で見ると,繁体字は旧字体と字体を同じくしているものがあるが,異なるものもある。現行の規範や習慣に沿った繁体字書体は,日本で明治以来行われてきた活字のものとは,字体やデザイン面など異なる点が多い。繁体字

繁体字例

次の例は,台湾で発行された子供向け童話絵本『金瓜與銀豆』の冒頭部分。

注音符号

右の図は上掲「童話」の一部を拡大したものである。漢字の右側に縦書きで記されている記号が注音記号で,中国語の発音記号の一つである。

注音符号は古代の篆書・古文などから字形の簡単なものを取って表音文字として使うもので,1 文字から 3 文字で(声調を除く)中国語の 1 音節を表すことができる。中華民国時代に制定された。中華人民共和国では拼音が使われ,注音符号はほとんど使われていないが,台湾では台湾語を表記できるように注音符号を拡張する試みが行われ,初等教育の初期からこれを学習している。

注音符号は声母(音節頭子音)21 字と韻 16 字の 37 文字からなる。先頭の 4 文字「ㄅㄆㄇㄈ」からボポモフォ (bopomofo) とも呼ぶ。(Zhuyin fuhao / Bopomofo (注音符号/ㄅㄆㄇㄈ)

参考文献

[最終更新 2018/02/20]