サラティ 英 Sarati alphabet
サラティは J・R・R・トールキンによる架空文字。かれの神話のなかでは,ヴァリノールであるティリオンのルーミルの発明である。のちに中つ国でも現実でも親しまれたフェアノールのテングワールは,サラティを範に作られた。テングワールやほかのエルフの文字やキアスと違い,サラティの書字方向は複数あって,そのなかで上から下に書くものがもっとも普通だった。ほかには左から右へ,右から左へ,更には牛耕式 (ブストロフェドン) で書かれた。→ The Sarati of Rúmil
のちのテングワールでは字が子音を表し,ダイアクリティカルマーク(テングワールに関する術語ではテフタと呼ばれる)が母音を表すが,サラティでは,母音記号は,縦書きのとき字の左側(ときに右側)に書かれ,横書きのとき上側(ときに下側)に書かれる。トールキンによれば,子音は母音より顕著であり,また母音はほぼ修飾だと考えられた。クウェンヤを書き表すとき,もっとも使われる母音であるため “a” を示す記号はふつう省略された。これにより,サラティは “a” を随伴母音とするアブギダと呼べるかもしれない。
サラティ
子音字
母音記号
書字方向
サラティ見本
関連リンク
- Ryszard Derdzinski Sarati Rúmilo Quenyava
注
- サラティ
- Omniglot Sarati alphabet
- The Sarati of Rúmil
[最終更新 2019/06/20]