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【地球ことば村・世界言語博物館】

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世界の文字

ラ・モハラの文字


 実りの山の王
1986 年 11 月半ば,メキシコ湾岸のベラクルス州南東部のアルバラード町(Alvarado)から 20 km 南のアクラ川(Acula)の水深 2 m の中から,巨大な石板が発見された。この石板には,左側に豪華な衣装を身にまとった戦士(=王)が右向きに描かれていて,この臓の上部と右側に総計 520 ほどの文字が縦に 21 行並んでいる。この数は,メソアメリカで見つかった単一の記念碑の文字数としては最多である。当地は,かつてのオルメカ文明の中核地域にあって,著名なメキシコ湾岸のオルメカの遺跡セロ・デ・ラス・メサス(Cerro de las Mesas)とトレス・サポテス(tres Zapotes)を結ぶ線のちょうど真ん中にあるアルバラード町の小漁村ラ・モハラ(La Mojarra)だったから,このように呼ばれるようになった。(→ 植田)

この玄武岩製の石版は,約 4 t の重さがあり,形は不等辺四角形で,縦 2.10~2.34 m,横 1.10~1.42 m,厚さは 0.54~0.15 mである。人物像の下部で,全体の 7 分 1 の部分は彫像が壊されていて消えている。文字部分は一部が欠けているが,全体から見ればごくわずかで,このようなきわめて古い時代の遺物としては極めて保存状態がよい。

文字は 2 つに区分でき,第 1のグループは,人物の上の空白に右から左に向かって 12 列の短い文字が A から L の見出しで表されている。第 2 のグループは,人物像の右側に 9 列,同様に M から U まで並べられている。この方は文字は左向きで,上から下に 1 行ごと左から右に読まれる。一方,左半分は右向きで,普通の文字とは逆の鏡文字になっており,読み方も右から左に読まれる。

ラ・モハラの石碑 1 号

日付

石碑には 500 あまりの文字が刻まれており,その中に長期暦の日が 2 つ記されていた。→ Kaufman & Justeson によると,その 2 つの日は,西暦に直すと,143 年 5 月 1 日と156 年 6 月 23 日になる。(長期暦など暦法についてはマヤ暦を参照。)

日付 !: 行 A1~9

日付 II: 行 M8~16

ラ・モハラの文字が発見されるまでは,162 年の日付をもつトゥシュトラ(Tuxtla)の小像があったが,それには 60 あまりの文字しか記されていなかった。そのため,沿岸低地帯の文字はそれほど発達しなかったと見られていたが,ラ・モハラの石碑の発見により,一挙にその文字観を変えざるを得なくなったのである。(→ 八杉)

トゥシュトラの小像

関連リンク

[最終更新 2016/12/20]