地球ことば村
言語学者・文化人類学者などの専門家と、「ことば」に関心を持つ一般市民が「ことば」に関する情報を発信!
メニュー
ようこそ

【地球ことば村・世界言語博物館】

NPO(特定非営利活動)法人
〒153-0043
東京都目黒区東山2-9-24-5F
TEL:03-5798-2828
http://chikyukotobamura.org
info@chikyukotobamura.org



「世界の文字」について

Unicodeの普及に伴い,多言語環境を整えることが一昔前に比べ飛躍的に容易になりました。

古代から現代まで,文化的・宗教的・歴史的・学術的観点で重要な意味をもつさまざまな言語と文字を,ご覧くださる方がご自身の手で書き記す際に,このページが何らかのヒントを提供できる契機ともなれば,と念じています。

ご意見やご指摘などをお聞かせください。

稲垣徹
t-ing at tbh.t-com.ne.jp
(" at "を"@"に変えてください)

世界の文字

タイ・ロ文字


タイ・ルー文字とも呼ぶ,現在,中国雲南省の傣族の間で使われている文字で,正確には[tai5133]と呼ばれる。傣族自身は,この文字を西双版納傣語(シーソンパンナータイ)あるいは徳宏傣語(トーホンタイ)と呼ぶ。系統は,南インド系表音文字の1つであり,ビルマ・シャン州のタイ・クーン文字,タイ・ユアン文字(通称チェンマイ・ラオ文字)などと同系統である。

西双版納傣語の歴史書によると,傣暦639年(西暦1277)に和尚トゥインダ(Tuyinda)が,鉄筆をもって,多羅樹の葉に tham41「経典」を刻んだのだ始まりで,以後その文字が伝えられたとある。それらの経典は,貝葉(ばいよう)経と呼ばれる。したがって,この文字は仏教の伝播とおおいに関係し,13世紀に,今のタイ国北方にあったランナータイ国を経て伝来したものと考えられる。この古いタイ・ロ文字で書かれた大量の貝葉は,傣族の文化を伝える重要資料で,その中には漢文の翻訳,インド仏典の訳などのほかに,傣族の史書,天文暦法書,数学書,医学占卜書,法律道徳の書や農田水利に関するものも含まれる。民間文学も多種類に及び,ラーマーヤナとの関係が問題にされる『蘭嘎西賀』(十頭魔王)は,3万余行からなる大部の叙事長詩で,22章88節に分けられる。しかし,それらの旧文字文献は,いずれも手書きであり内容も難しく,読む人は限定されていた。

中華人民共和国成立(1949)以後,旧文字の改革が実行された。1953年1月に傣族自治区の人民政府が設立され,同年8月に開かれた第2回西双版納自治区各族各界代表者会議の席上,旧文字を改良することが決定された。1955年には中央国務院の批准を経て「西双版納傣文改進方案」が試行され,現在その方案に基づいて大幅に改良された文字法が普及している。なお,1955年以前の文字を旧タイ・ロ文字(西双版納老傣文 [1]),改良された文字を新タイ・ロ文字(西双版納新傣文)と呼んでいる。 [2]

文字構成

子音字

子音字は,高音字と低音字の2つの系列をもつ。高音字は a 短母音と高平調で読み,低音字は aː 長母音と高降調で読む。


母音字

母音字には,短母音を表記する字形と二重母音を示す字形がある。

単母音字

短母音には a, i, u, uː, e, o, ɔ, ɯ, ə を示す字形があり,子音字の前か後に置く。


二重母音字


末尾子音字

殺母音符号(母音を含まないことを示す)末尾子音専用文字。


声調符号

タイ・ロ語には6種の声調がある。高音字の短母音音節が2声35型をとる場合のみ声調符号をつけるが,それ以外はすべて声調型が自動的に決まるため,声調符号をつけない。


声調符号 例


テキスト

文章例


出典:巫凌云, 张秋生(1981) [3],Font: Microsoft New Tai Lue (Windows Vista 搭載)

文字入力

ユニコード

タイ・ロ文字のユニコードでの収録位置は U+1980..U+19DF である。


Free Font: Dai Banna SIL Light

文字表示テスト

本項で用いたフォントがインストールされていれば,表右下セルにタイ・ナ文字が表示される。

正しい表示お使いのコンピュータでは
ᦖᦱᧅ
maːk2(35)「果物」

入力方法

特定の入力方法は存在しない。 多言語環境の設定 などを参考にする。

関連リンク・参考文献

[最終更新 2013/08/05]