地球ことば村
言語学者・文化人類学者などの専門家と、「ことば」に関心を持つ一般市民が「ことば」に関する情報を発信!
メニュー

 ようこそ



【地球ことば村・世界言語博物館】

NPO(特定非営利活動)法人
〒153-0043
東京都目黒区東山2-9-24
TEL:03-5798-2828
FAX:03-3713-9932
http://chikyukotobamura.org
info@chikyukotobamura.org

特集 2008年は国際言語年!(1)
  ― 国連決議とユネスコのメッセージ

 2008年はユネスコが提唱し、国連が定めた「国際言語年」(International Year of Languages)です。
 今、世界で話されている5千から6千の言語の半数以上が消滅の危機にさらされていると言われています。 地球ことば村では、世界のさまざまな言語や文化を知るとともに、身近な言語や文化を見つめ直しながら、 ことばの大切さを伝え、ことばで人をつなげていく活動をイベントや出前授業、ウェブサイトを通して 行ってきました。
 国際言語年は"ことば"に広く関心を集める、またとない機会です。ところが、今年が国際言語年である ことは日本ではあまり知られていません。新聞でもテレビでも、ほとんど取り上げられていないと 思われます。
 地球ことば村では、国際言語年がことば村の活動と趣旨の上で合致することから、草の根の立場から 国際言語年をアピールしていくことにいたしました。まずはサイト上で、特集「2008年は国際言語年!」 を連載します。第1弾は、国連の決議とユネスコ事務局長のメッセージのご紹介です。


国連決議  ※決議の全文は下記リンクから読めます。

 2007年5月、国連総会で、2008年を「国際言語年」と定めることが決まりました。多言語使用 (multilingualism)に関する決議が(無投票で)採択されたのです。"多様性の中の統一"と"国際 理解"を推進するためには多言語使用が重要であり、自分のことばで世界の人びととコミュニケー ションできることが大切である ― このような認識から、言語・文化の多様性を保護、推進する 手段として多言語使用を進めていくことを認めつつ、国連の6つの公用語(アラビア語、中国語、 英語、フランス語、ロシア語、スペイン語)を平等に扱うことが特に重要であると強調されました。
 93の国(日本は含まれていない)によって草案が提出され、採択された決議では、国連の公用語に 関する項目が大半を占めています。実務面や、文書等のリソース面で、6つの公用語を同等に扱うこと のほか、広報、特にウェブサイトでの英語とそれ以外の公用語との間の格差をなくすことなどが 求められています。
 また、公用語以外の言語についても触れられており、世界各地の国連広報センターによる現地の 言語での情報の提供が評価された一方、技術的援助を受恵国の言語で提供すること、職員が派遣先の 言語でコミュニケーションできることが必要であると指摘されています。
 最後にこの決議は、世界の諸民族のすべての言語を尊重し、保護、推進していくことを加盟国を はじめ、すべての関係者に訴えかけています。

プレスリリース(英文)
プレスリリース(日本語訳:地球ことば村)
決議(PDF、英文)
 http://www.un.org/Depts/dhl/resguide/r61.htmを開き、 A/RES/61/266 を選択


ユネスコのメッセージ  ※メッセージの全文は下記リンクから読めます。

 「国際言語年」のリードエージェンシー(主導機関)であるユネスコ(国連教育科学文化機関) の松浦晃一郎事務局長は、昨年11月、国際言語年を迎えるにあたってメッセージを発表しました。
 言語は私たちのアイデンティティの拠り所であり、文化や価値観の重要な担い手です。
 メッセージではまず、持続可能な開発(sustainable development)や、EFA(Education for All/ すべての人に教育を)、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成という面から、言語は極めて大切であり、 今後、人類が直面するさまざまな問題に対して非常に重要になると述べられています。
 また、「無形文化遺産の保護に関する条約」や「文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約」 など、ユネスコがこれまでに採択してきた条約などで指摘されているように、文化の多様性は言語の 多様性と密接に結びついています。ところが、世界で話されている言語の半数以上が数世代のうちに 失われてしまうかもしれず、また何千もの言語が教育やメディアといった公的な領域では用いられて いません。
 このような状況に対して、政府、国連機関、NGO、教育機関などを巻き込んで、すべての言語、特に 危機的な状況にある言語を尊重し、保護していく活動を進め、緊急に対処していかなければならない と松浦事務局長は訴えています。そして国際言語年は、言語の多様性と多言語使用の重要性が広く 認識されるまたとない機会であると、メッセージは締めくくられています。
 ユネスコのウェブサイトには、国際言語年のページがあります。国際言語年に関する基本的な情報 のほか、世界各地プロジェクトがデータベース化されており、どのような活動が行われているのか、 知ることができます。

松浦事務局長のメッセージ(英文)
松浦事務局長のメッセージ(日本語訳:地球ことば村)
「国際言語年」のページ(英文)

 次回からは、国際言語年の具体的な取り組みや、危機言語や先住民の権利に関する、国連や ユネスコのこれまでの取り組みなどについて、取り上げていく予定です。


特集「2008年は国際言語年!」TOPへ