ことば村・ことばのサロン

| ■ 2008・6月のことばのサロン |
| ▼ことばのサロン |
2008年は国際言語年!全日本社会貢献団体機構助成事業
講演要旨 言語消滅の最悪の例がオーストラリア オーストラリア大陸には5万数千年前にすでに人が住んでいた。18世紀後半にイギリス人が やってきて1788年にシドニーに最初の植民地ができた。それ以来、もともと住んでいた人々は殺さ れたり、白人の持ち込んだ病原菌にやられたりした挙句、残った者も白人が住みにくい気候条件の 場所(大陸中央部・北部)に追いやられた。その上に同化政策によって英語を強要され、もともと 250~500あったと言われる言語は100以下になり、現在のところ、その大部分は老人がわずかに話 せるだけで、日常的に使われるのは20言語くらいに減少してしまっている。200年の間にこれだけの 言語消滅が起こった地域は世界でもオーストラリアしかない。 アルフ・パーマーさんは最高の恩師のひとり 私は東京大学を卒業後、メルボルンのモナシュ大学でオーストラリア原住民語の調査研究により
修士号と博士号を取得した。博士論文「The Djaru language of Kimberley, Western Australia 」は
1981年にCanberra: Pacific Linguisticsから出版されている。(Djaru語は西オーストラリア州北部
の言語) Eメールから始まったワロゴ語の学習 パーマーさんも亡くなり、ワロゴ語はいったんは途絶えてしまった。1990年ごろから言語消滅に
ついて、また、言語の再活性化について世界的にムーブメントが生じてくる。この分野の私の研究書
として、「Language endangerment and language revitalization 」2005, Berlin and New York:
Mouton de Gruyterがある。 ワロゴ語の特徴 我々日本人は日本語を特殊な言語だと一般的に考えているようである。しかし私が130あまりの
世界の言語を比較したところ、日本語はよくあるタイプの言語であり、逆に英語は珍しいタイプの
言語であるとわかった。ワロゴ語はどうかというと、非常に特殊な複文の作り方をする言語である。
これを統語的能格性と呼ぶ。この現象は世界でも稀であり、人類の貴重な文化遺産である。このこと
をパーマーさんの子孫に話したら、大変喜んだ。民族の誇りである。
以上 講演の中に「言語権」ということばが出て、それについて詳しく聞きたいとの質問がありました。 事務局 |
![]()

