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【地球ことば村・世界言語博物館】

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世界の文字

ジュカ音節文字 英 Djuka/Ndjuká syllabary,Afaka script/syllabary


南米,スリナム共和国の内陸部で話される英語語彙ベースのクレオール言語,ジュカ語を話す黒人社会は,西アフリカで発達したのとよく似たジュカ音節文字を発達させた。クレオール言語のなかで,唯一,独自の(ラテン文字ではない)文字体系をもつ言語である。

この音節文字体系は,1910 年,夢の中で神の啓示を受け,これを創始した(といわれる)アファカ・アツミ(Afaka Atumisi)にちなんで,アファカ文字とも呼ばれる。この文字は,スリナムのカトリック宣教師ブラザー・バーナード(Brother Bernard)と同僚の Morssink 神父による普及活動により一定の成功を収めた。ジュカ音節文字がジュカ語のすべての音を表すというわけでなく,そして、文字の普及がヨーロッパの宣教師のもとで行われたこともあり,ジュカ語話者は,その文字を日常的な目的ではなく,宗教的ななものとみなした。音節文字は,成年式儀礼を終えた限られた人々を通じて伝承され,少なくとも,1970 年代までは続いたことが確認されている。この音節文字体系の成立については,アフリカ起源であるとする説と,新大陸に来てから成立したとする説があるが,詳細は不明である。 [1]

文字構成

le/li, me/mi, bo/bu, do/du, dyo/dyu ba/pa など,および鼻音 ko/kon, na/nan などは同じ文字を使う。文字体系として不完全であっても,予想できる主題の文章(大部分は宗教的な表現の繰り返し)であれば,同じ綴りであっても理解を必ずしも妨げるものではない。

ジュカ語テキスト

次のサンプルは,フリー・フォント Afaka を使用して出力したものである。ただし,このフォントには dyo/dyu を表す文字 が欠けているために,この文字のみ画像として使用した。

Text B  [2]

通常ジュカ語

Masaa Paatili Molosi, Masaa Tiloni gi ju bigi odi, je.
A taki a jee taki ju kon na Ndjuka, baa. Ma ju na mu mandii mi fu di
mi na kon na ju, bika mi wani bilibi na Santa Jeje. Mi
wani kaba nanga sondu kelekele. Na molo keki no-
ti molo leki bigi odi, je. Adjosi, mi lobi wa-
iti Paatili. Odi, Masaa, dak mineli. Fa Masaa tan?
Mi meke a panpila na sonde sapaten, je.

英訳

Mr. Father Morssink, Mr. Tiloni gives you big greetings.
He says he has heard that you have come to Ndjuka (country).
But you must not blame me that I did not come to you, because I want
to believe in the Holy Ghost. I want to stop with sins totally. Further
(I have) nothing other than big greetings. Goodby, my beloved, worthy
Father. Greetings, Sir. Hi, Sir. How do you do, Sir? I made the paper
(letter) on Sunday afternoon.

ジュカ音節文字用フォント

ジュカ音節文字用フォント Ndjuka の配列は以下のとおりである。


関連リンク・参考文献

[最終更新 2022/01/20]