地球ことば村
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相撲ファンに贈る<今月の特集>
蒙古相撲 ブフ

「世界のことば」に力士の母語が新登場!相撲ファン必見!
朝青龍の母語=モンゴル語 露鵬の 母語=オセット語 琴欧州=ブルガリア語

 九月場所には7人のモンゴル出身の力士が幕内で土俵に上がります。横綱朝青龍がまた優勝するのか、白鵬が念願を果たすのか、賭がした いほどです。どころで、どうしてこんなにモンゴル人は相撲に強いのでしょう。それもその筈、モンゴル国でもモンゴル相撲ブフは国技です。

 広いモンゴルには相撲も沢山の種類があります。モンゴル国にはハルハ・ブフ、中国内モンゴル自治区にはウジュムチン・ブフ、西のアル シャ地方にはシャルボル・ブフ、もう少し西のオルドス地方にはオルドス・ブフ、さらにキルギスにもロシア南部のカルムイクにもそれぞれに違ったブフがあり ます。

  それぞれのブフで何が違うかと言って、まず衣装が違います。ハルハ・ブフでは絹製の長袖にパンツとブーツですが、ウジュムチン・ブフでは革製の上着と、バ ンジルというタブタブのズボンの上にトーホーと呼ばれる脛当てとブーツ、それに華やかな首飾りを着けます(写真1)。しかしオイラーとのボホ・ノーロルド ンでは日本の少年相撲のようにパンツだけです。

 ブフは広い草原が舞台ですから、原則として、土俵がありません。倒せば勝ちです。それでもウジュムチン・ブフでは30分で勝負が付か なかったら5分延長、それでもダメなら3メートルの円を描いてその中で勝負を付けるそうです。

 決まり手も違います。ハルハ・ブフでは手をついても負けにならない。一方、ウジュムチン・ブフでは足の裏以外はどこをついても負け。 ではモンゴル国と内モンゴルの国際試合ではどうするか。それは開催場所のルールに従うそうです。

 立ち会いも違います。大抵は向き合って立ち会いますが、ボホ・ノーロルドン(オイラーと)では、膝をついたままで組み合わせて、采配 とともに立ち上がります。朝鮮系のシルム型相撲に似ています。

 一回で勝負が付くとは限りません。ハルハもウジュムチンも一回ですが、ボホ・ノーロルドンとデードゥ・モンゴル(青海省にオイラート 系モンゴル人)では3回勝負といいます。

 なにより大切なのは儀礼 です。ハルハ・ブフでは、競技の前に出場者が鷹の飛ぶように踊って入場します(写真2)。鷹の舞と呼ばれていますが、鷹とライオンの合体を象徴していると いう解釈があります(ボルドー2002)。ウジュムチン・ブフではライオンのしぐさで入場すると言います。モンゴル国の首都ウランバートルでは、ナーダム という国家行事(七月11-12日)では、入賞力士に称号(横綱など)が授与されますが、華麗で勇壮なお祭りです。それ以外に興行として年4回のブフ・ リーグが行われます。競技は、年間40以内にランキングされた力士が二つのグループに分けられて、総当たり戦を行い、勝ち星によって賞金が与えられます。

 モンゴルの子供たちはブフを見て、ブフに憧れて、ブフの訓練を重ねて育つのですから、相撲が強いのも道理です。逞しい若者が相撲の原 郷から東国の土俵に攻め上ってきたのですから、礼を尽くして互いに切磋琢磨しなくてはなりますまい。相撲の国際化の波はこれからも大荒れでしょう。(この 記事はウジュムチン系元学生ブフ横綱バー・ボルドー氏の諸論文(ボルドー2002:「多様化の進むモンゴル世ブフ(相撲)文化から見るモンゴル世界」(和 光大学総合文化研究所シンポジウム)」など)と一ノ瀬恵『モンゴルに暮らす』岩波新書191などから構成しました。地図と写真をお借りしましたのでご了承 ください。)

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/2609/

「世界のことば モンゴル諸語」をご覧ください。

モンゴルの力士 頑張れ!   Mongol Sumochuudaa! Sain barildaarai!!
今場所こそ 優勝しろ! Ene BASHO-nd turuul!
今日も 星をとろう! Davna shuu!